Poem / Photography 「歩み」

歩み

私は守りたいだけ

私は自分の人生を歩きたいだけ

私はこれ以上傷付きたくないだけ

傲慢で身勝手で思いやりのない生き方かもしれない
それでも私は家族を他者を愛し愛され
小さな家族を守っている

私は死ねないだけ

私は自分の感情に素直でいたいだけ

私はこれ以上ムリをしたくないだけ

理解されないかもしれないし
正しさとか正義とか常識とかもわかっていないかもしれない
それでも私は生きている

誰かの願望を叶えるだけが人生ですか?

苦しいのにこらえるだけが人生ですか?

犠牲になるばかりが人生ですか?

やっと心の底に土台が出来たのだのだから
私は「幸せ」の器作りたい
その権利があると思いたい

苦しんだ分 
哀しんだ分
「今」に「幸せ」感じたい

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「馴染みの喫茶店」

馴染みの喫茶店

見えないところから見る
そっと じっと

身を隠して
帽子を深くかぶって
 
周りの雑音も微かにしか聞こえないくらい
イヤフォンから流れる音楽

ここの銀杏は裸になってしまった
春を待たねばね

皆、ダウンコートを着て
マフラーを巻いて 歩いている

そっと じっと
隠れ家から 見る

美術館へ行きたいな
動物園にも

舞台が観たいな
コンサートへも

行動範囲の狭くなった私が夢見るのは
健康に歩くこと

それすらままならなくて
じっとしている

風の強い日
黄色い枯葉がカラカラいう

陽の差す席で
アイスコーヒーは汗をかく

季節の移り変わりが
年々早くなり
私は一層動けなくなっていた

もう一度 もう一度
走りたい 泳ぎたい
限界を超えたい

冬の見慣れた景色も
今日は新鮮で
あくびを我慢する

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「音楽が招く愛」

音楽が招く愛

角の一本ないゾウと
もう一頭が
子孫を残す為
アフリカから日本にやって来た

三歳までアフリカで過ごした二頭
二年の時を一緒に過ごしても
近づこうとせず
結婚は無理かと思われていた

そんな二頭に奇跡が起きる
同じアフリカから来たミュージシャンが
動物園でライブをした
太鼓と木琴での演奏

二頭はしっぽを振り
メスの方から近づき
二年越しに距離を縮め
キスをする

テレビで観た光景だったが
鳥肌が立った

ー覚えていたのだ!ー
祖国の音楽を

動物の繊細さ
本能の持つ忠実さ

私はそこにあるべき愛の姿を見た
大変な思いで日本までやって来て
やっと育めた愛
鳥肌を立てながら
心で拍手を捧げた

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「大晦日は澄んでいた」

大晦日は澄んでいた
                

富士山の近くを車で通った時
富士山の気を感じたように思えたが
今日もそれに似たものを感じた

この破滅に向かう世の中で
私はこんなに澄んだ空気が吸える
母と猫たちと今年を終える事ができる

世界中で起こっている紛争
私は日々を乗り越えるのが精一杯で
小さな家族を守ることばかり考えている

個が確実に平和を望めば
その家族も友人も
平和を望むだろう

それでも私たちは争うことをやめない
自然の摂理なのか弱肉強食の本能なのか?
それとも単純にお金の為なのか?

この国の一部屋に
小さな家族が集い
平和を祈る

そんな場が沢山あるだろう
そんな空間が沢山あるだろう
私たちは祈ることで戦える

二千二十二年の大晦日
日が暮れる前にお風呂に入り
ゆっくりと夕陽が沈むのを見ながら
静かに祈りの時間を持った

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「丈夫な身体」

丈夫な身体

今はこんなに膨張して
動きづらい身体になってしまったが
今までの人生を振り返れば大したものだ

健康な身体と
少しくらいの痛みでは倒れない
強い骨格をありがとう

そろった目 耳 手足 指
健康に伸びる爪や髪
元気な内臓

精神は患ってしまったが
私の身体は健康で丈夫だ
あれだけ歩いて 歩いてもまだ生きている

痩せたり太ったりの繰り返し
身体にかかった負担はマックスなはずなのに
毎日呼吸をしてくれる

感謝したいのは環境だけではなく
この身体を授かったこともその一つ
休み休みしか動けない今だけれど…

ありがとう ありがとう
悲観的なる私を許して下さい
私はまだまだ出来ることがあると思いたい

パパママありがとう
おじいちゃんおばあちゃんありがとう
みんなありがとう

少しづつでも立て直して行くよ

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「決意」

決意

猫の背中を撫でながら
呟いた
「一緒に居られれば、それでいいよね
…」

猫は少し不安そうに私を見た
「大丈夫、ずっと一緒だよ。心配いらない」
猫が「ニャッ」鳴きすり寄る

大粒の涙が溢れ落ちて
私はまた決断を迫られた気になった
変わらなければ…

一夜明けて春めいた陽気に
小鳥が窓の外で鳴いている
ぼんやりと昨夜のことを考えながら
私はコーヒーを飲みながら
また変われずにいる自分に気づいた

変わるのって難しい
でも意識する事は出来る
きっとその意識の連続が
結果として変化になるのだろう

隣で眠る猫たちを眺めながら
哀しげではあったが一日を始めた
朝目覚めたこと
猫たちと屋根のある場所で一緒に居れること

今日こなすことを思い浮かべて
「さて、やるか!」と
腰を上げた

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「形のないもの」

形のないもの

歩み寄り 歩み寄り
何か形にならないものが
何らかの形になろうとしている

それは目には見えないし
手でも触れられないけれど
確かに感じるもの

安心感とか
温もりとか
そういったもの

出逢って何年経っただろう?

その時々で違う形
その時々で近くなる
理解しようと努力する

投げ出した
お互いに
もう嫌だって

それでも繋がってきた
離れている時も想っていた
「今」に至る何かがあった

嫌なところも見たけれど
良いところもたくさん見てきた
心が潤った

最後にしたいね
家族になったって思いたいね
これからもずっと

縛りはないし
紙の上でも自由だけど
きっと私たちは結ばれたね

歩み寄ってくれてありがとう
歩み寄って良かった
貴方を信じて報われた

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「一緒に」

一緒に

ただ歩いていた
飲んだアイスコーヒーの
ミルクとガムシロップの味
口の中で混ざったまま

母の居る施設へと
スーパーの買い物袋から
黄色いバラが顔を出していて
ただ歩いていた

永遠と続くかのようなその道で
春になろうとする日に
父を想っていた
長野松本の雪 雪 雪

母が実家近くの施設に転所をしてから
良く通うようになった
母の手はまだ若く
目の中は生き生きとしていた

部屋で付けられていたテレビでは
雪国のむかし話
少し音量が大きく
お琴の音が部屋に充満する

ーパパ、トルコとシリアで地震があったんだよー
ーとても大きいやつね。皆んな大変だよ、極寒の中さー
テレビで流れる雪の映像がノスタルジックで
日本文学を思い浮かべていた

母が時々質問をして来て
それに答えながら
時間は過ぎる
「キスして」と別れ際に母が言うので
おでこにキスをした

そしてまたただ歩いた
身軽になって
風を感じながら
私はあの二人の子供なんだと

どの季節にも
想い出はある
また作っている
死する者ともなお
一緒に

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

Poem / Photography 「友愛」

友愛

ベッドで猫を抱いて寝る時
猫ではなくて 貴方の温もりを抱いているのだろうか?と
本当は貴方ではなくて 猫なんだけど
それを錯覚させる何かがあって
浮気とか そういうことでもないんだけど
愛のある人とか言葉を
私は愛してて
愛とは何か?とか
詩とは何か?とか
考え続けるから 答えがないから
だから一生寄り添うんだって
そう言った貴方に愛を感じて
大きな温かな気持ちを胸いっぱいに
全ての人に愛を感じた夜を迎えたんだ

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

変態の美学 変態 (sexual deviation)

変態 (sexual deviation): 性的嗜好や行動が社会的に一般的とされる範囲を逸脱している場合を指します。これは、性的倒錯や異常性欲とも呼ばれ、一部には偏見やスティグマが伴うこともあります。例えば、一般的に受け入れられていない性行動や嗜好を指すことがあります。

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