Poem / Photography 「一緒に」

一緒に

ただ歩いていた
飲んだアイスコーヒーの
ミルクとガムシロップの味
口の中で混ざったまま

母の居る施設へと
スーパーの買い物袋から
黄色いバラが顔を出していて
ただ歩いていた

永遠と続くかのようなその道で
春になろうとする日に
父を想っていた
長野松本の雪 雪 雪

母が実家近くの施設に転所をしてから
良く通うようになった
母の手はまだ若く
目の中は生き生きとしていた

部屋で付けられていたテレビでは
雪国のむかし話
少し音量が大きく
お琴の音が部屋に充満する

ーパパ、トルコとシリアで地震があったんだよー
ーとても大きいやつね。皆んな大変だよ、極寒の中さー
テレビで流れる雪の映像がノスタルジックで
日本文学を思い浮かべていた

母が時々質問をして来て
それに答えながら
時間は過ぎる
「キスして」と別れ際に母が言うので
おでこにキスをした

そしてまたただ歩いた
身軽になって
風を感じながら
私はあの二人の子供なんだと

どの季節にも
想い出はある
また作っている
死する者ともなお
一緒に

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「写真詩集」

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Tetsuro Higashi

Tokyo Japn Photographer

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