フォトエッセイ「これが私なの?」鏡前で身を晒した・・

「これが私なの?」鏡前で身を晒した・・

部屋の中には、一面を覆う大きな鏡が立てかけられている。その鏡は古いもので、縁には細かな彫刻が施されており、どこかアンティークショップの香りを残していた。照明は柔らかく、黄昏時のような色合いを放つ。その前に立つのは、一人の女性。彼女の年齢は30代半ば、髪は短く切り揃えられ、肩にかかるかかからないかという微妙な長さだった。

彼女はシャツのボタンを外していく。ひとつ、またひとつ。自分の動作が鏡の中で反射するのを眺める。ボタンが外れるたび、肌の露出が増える。まるで何かの儀式のように、彼女は静かで慎重な手つきでその行為を進めた。シャツを肩から滑らせると、それは床に落ちた。音は驚くほど軽かった。

彼女は立ち尽くし、自分の体をじっと見つめた。鏡に映る自分自身は、いつもよりも他人に近い存在に思えた。肩のライン、鎖骨の微かな凹凸、腰の曲線。彼女はそれらをひとつずつ観察する。見慣れたはずの自分の体が、今夜はどこか新鮮だった。まるで初めてこの体を手に入れたような、不思議な感覚が彼女を包んだ。

「これが私なの?」

思わず呟いたその声は、部屋の静寂に吸い込まれた。

彼女は手を伸ばし、自分の腹部に触れた。皮膚の感触は冷たくもなく、温かくもない。中立的な温度だった。指先が滑らかに動き、そこにある小さなほくろを辿る。そのほくろは、彼女が20代のころから存在していたが、気に留めたことはほとんどなかった。今夜、それは突然、彼女の物語の一部のように感じられた。

彼女は次に目線を上げ、自分の胸を見る。小さい頃からその形には満足していなかった。もっとこう、他の誰かのように魅力的であればと願ったこともある。それでも、年齢を重ねるごとに、この体に対する感情は変わってきた。愛おしいとはまだ言えないが、少なくとも受け入れる努力はしている。

鏡の前に立つことは、彼女にとって単なる日常の一部ではない。そこには何か特別な意味が込められているようだった。自分の姿を見つめること、それは彼女にとって、何かを確かめる行為だった。美しさでも、若さでもない。もっと根源的な、自分がここにいるという確証を得るための行為。

その夜、彼女は鏡の中の自分と対話をした。声に出すことはなく、ただ視線だけで。そしてその静かな対話の中で、彼女は少しだけ、自分を許せた気がした。

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Tetsuro Higashi

I was born and brought up in Tokyo Japan. Now I teach mathematics . At age 20 I took up painting. I took up taking photos before 5 years. I have learned taking photos by myself . I grew up while watching ukiyo-e and have learned a lot from Sandro Botticelli , Pablo Picasso. Studying works of Rembrandt Hamensz . Van Rijn, I make up the light and shadow. * INTERNATIONAL PHOTO EXPO 2015 / 26 February ~ 31 March Piramid Sanat Istanbul, Turkey * World Contemporary Art 2015 Nobember Piramid Sanat Istanbul, Turkey * Festival Europeen de la Photo de Nu 06 ~ 16 May 2016 Solo exposition at palais de l archeveche arles, France *2016 Photo Beijing 13~26th October *Sponsored by Tetsuya Fukui 23 February - 02 March 2019 Cafe & Bar Reverse in Ginza,Tokyo,Japan *Salon de la Photo de Paris 8th – 10th – 11th 2019 directed by Rachel Hardouin *Photo Expo Setagaya April 2020 in Galerie #1317 *Exhibition NAKED 2020 in Himeji    Produce : Akiko Shinmura      Event Organizer : Audience Aresorate December 1th ~ 14th  2020

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