フォトエッセイ 「木漏れ日」

木漏れ日

陽が高く昇り、森の中には静かな風が吹いていた。木々はその枝を空に伸ばし、幾分かの葉が色づいて落ちてきた。地面にはその葉が薄く広がり、風がそれらをそっと転がす音が響く。静寂を破るのは、遠くで鳴く鳥の声くらいだった。

彼女は森の奥深くに座っていた。長い髪はゆるやかに肩を覆い、素肌は陽の光に包まれている。木漏れ日が彼女の肌をなぞり、陰影を作り出す。その光の輪郭が彼女の顔に浮かぶ。彼女は目を閉じて、軽く肩をすくめた。息を吸う。吐く。そのたびに胸が静かに上下する。

それは、何も求めることのない時間だった。どこからともなく吹いてくる風に身を任せ、彼女はひたすらその場に溶け込んでいく。ただ、存在する。それだけだ。彼女がどうしてここにいるのか、誰もが知らない。彼女自身も、気づいていないかもしれない。ここにいることが、ただそれだけで意味があるように感じた。

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ひとときの静けさを享受すること。それは、言葉では表現できないほどの充実感を与えてくれる。彼女の目の前には、何もない。ただ、無限に広がる木々と、その間を駆け抜ける風。静かなその空間に、彼女は溶け込んでいる。もし誰かがここに来たとしても、彼女はその存在を感じることなく、ただ今この瞬間を生きるのだろう。

風が吹くと、彼女は少しだけ顔を上げ、空を見た。そこには、青く高い空が広がり、雲はまるで白い絹のように浮かんでいた。木々の間から漏れる光が、その瞬間の美しさを際立たせる。ひとときの静寂が、何ものにも代えがたい価値を持つことに気づく。それは、ただの時間の流れではなく、命の瞬間そのものだった。

彼女は立ち上がった。そっと足を踏み出し、枯れ葉の上を歩く。足音ひとつないその場所で、ただ風だけが彼女を包み込んでいく。太陽が少し傾きかけている。時間は、無情に流れていく。しかし、今この瞬間に彼女が感じているものが、全てを凌駕している。

彼女は再び森を歩みながら、そう思った。

誰もが一度は、この瞬間を生きることを忘れてしまう。しかし、忘れることができないものがある。それは、木漏れ日が差し込むその場所で、ただ静かに息をしていること。そのことが、最も確かな生の証なのだと。

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Tetsuro Higashi

I was born and brought up in Tokyo Japan. Now I teach mathematics . At age 20 I took up painting. I took up taking photos before 5 years. I have learned taking photos by myself . I grew up while watching ukiyo-e and have learned a lot from Sandro Botticelli , Pablo Picasso. Studying works of Rembrandt Hamensz . Van Rijn, I make up the light and shadow. * INTERNATIONAL PHOTO EXPO 2015 / 26 February ~ 31 March Piramid Sanat Istanbul, Turkey * World Contemporary Art 2015 Nobember Piramid Sanat Istanbul, Turkey * Festival Europeen de la Photo de Nu 06 ~ 16 May 2016 Solo exposition at palais de l archeveche arles, France *2016 Photo Beijing 13~26th October *Sponsored by Tetsuya Fukui 23 February - 02 March 2019 Cafe & Bar Reverse in Ginza,Tokyo,Japan *Salon de la Photo de Paris 8th – 10th – 11th 2019 directed by Rachel Hardouin *Photo Expo Setagaya April 2020 in Galerie #1317 *Exhibition NAKED 2020 in Himeji    Produce : Akiko Shinmura      Event Organizer : Audience Aresorate December 1th ~ 14th  2020

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