
窓から差し込む日差しは、部屋の中に黄ばんだ光の帯を作っていた。彼女はその中で横になって寝そべっている。皮膚は少し白く、日光を受けて微かに輝き、腕を上げるとその線がさらに強調された。まるで、その日差し自体が彼女のためにあるかのようだった。
外の風が静かに吹いている。窓が開けられたままで、カーテンは微かに揺れ、時折その動きが空気を運んでくる。その風の中で、彼女は動かなかった。ただ、じっと日差しを浴びていた。彼女の目は閉じられ、何も見ていないように見えた。しかし、彼女の呼吸だけが静かに部屋の中に響いていた。
男がその場に立ち尽くしていた。何も言わなかった。言葉を発することは無駄だと感じていたからだ。彼女は自分を晒していた。それは恥ずかしいことでも、誇り高いことでもなかった。ただ、そこにあることだった。
彼女はふと、何も言わずに振り向き、その視線を男に向けた。目を合わせることはなかった。彼女の視線は、どこか遠くを見つめていた。彼女の肌の色が、部屋の中で徐々に日光とともに変わっていった。最初は白く、やがて黄金色に染まっていく。
「どうしている?」男がようやく言った。
彼女は静かに答えなかった。彼女の周りに広がる空間に、言葉は必要なかった。ただ、光と影、そしてその沈黙がすべてを語っているかのようだった。
男はしばらく黙って立ち続け、そして、ゆっくりと部屋を出て行った。彼女はその背中を見送ることなく、再び日差しの中に身を任せた。

部屋には静けさが残っていた。
フォトエッセイ 「恥ずかしいです・・姿を見られるのが怖いです」