ヌードになって被写体となった作家の心境

作家が自らヌードとなり、被写体として作品の前に立つとき、その心境は一言では言い尽くせない複雑さを帯びています。そこには、いくつかの層が静かに重なり合っています。

まず最初に訪れるのは、「剥がされていく感覚」です。衣服を脱ぐという行為は、単なる物理的な裸ではなく、作家として築いてきた立場や評価、言葉による防御を一枚ずつ外していく体験でもあります。自分が生み出した作品の前に立ちながら、今度は自分自身が“見られる側”へと反転する。その瞬間、どこか頼りなく、しかし同時に研ぎ澄まされた意識が生まれます。

次に感じられるのは、「照らし返される感覚」です。作品は本来、作家の内面や時間の蓄積を映し出すものですが、その前に裸で立つことで、今度は作品から自分が見返されているような感覚に包まれます。過去の自分が、現在の自分を静かに問うてくる――そのような時間です。誇りもあれば、未完成さへの自覚もある。その両方を否応なく引き受けることになります。

さらに、「受け入れる感覚」もあります。身体は嘘をつきません。年齢、癖、積み重ねてきた時間の痕跡が、そのまま現れます。作家はその身体を通して、自分の人生そのものを肯定するかのように立つことになります。そこには美しさと同時に、脆さやためらいも含まれています。

そして最後に、「解放に近い静けさ」が訪れることがあります。すべてをさらけ出した後に残るのは、評価や意味づけから一歩離れた、ただ“在る”という感覚です。作家である前の、自分という存在そのもの。その地点に立ったとき、作品との関係もまた、所有ではなく対話へと変わっていきます。

このように、ヌードとなった作家の心境は、羞恥や緊張だけでなく、自己との対峙、作品との再会、そして存在そのものへの静かな肯定へと向かう、深い内面的な旅でもあるのです。

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Tetsuro Higashi

I was born and brought up in Tokyo Japan. Now I teach mathematics . At age 20 I took up painting. I took up taking photos before 5 years. I have learned taking photos by myself . I grew up while watching ukiyo-e and have learned a lot from Sandro Botticelli , Pablo Picasso. Studying works of Rembrandt Hamensz . Van Rijn, I make up the light and shadow. * INTERNATIONAL PHOTO EXPO 2015 / 26 February ~ 31 March Piramid Sanat Istanbul, Turkey * World Contemporary Art 2015 Nobember Piramid Sanat Istanbul, Turkey * Festival Europeen de la Photo de Nu 06 ~ 16 May 2016 Solo exposition at palais de l archeveche arles, France *2016 Photo Beijing 13~26th October *Sponsored by Tetsuya Fukui 23 February - 02 March 2019 Cafe & Bar Reverse in Ginza,Tokyo,Japan *Salon de la Photo de Paris 8th – 10th – 11th 2019 directed by Rachel Hardouin *Photo Expo Setagaya April 2020 in Galerie #1317 *Exhibition NAKED 2020 in Himeji    Produce : Akiko Shinmura      Event Organizer : Audience Aresorate December 1th ~ 14th  2020

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