the Transgender Artmodel

the Transgender Artmodel : すきら Skhilla

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トランスジェンダー・モデル すきら(Skhilla) ヌードポーズ集

シャッターを切るという行為は、時に「見ること」以上の責任を伴う。
とりわけ、彼女のように長い歳月をかけて自らの身体と向き合い、選び取り、そして変えてきた存在の前に立つとき、写真家は単なる記録者ではいられない。

彼女の身体には、時間が刻まれている。
それは傷跡という意味だけではない。迷い、決断、後悔、納得――そうした目に見えない軌跡が、皮膚の奥に沈殿している。その沈殿は、光の当たり方や、わずかな姿勢の変化によって、ふと浮かび上がる。

私は、そこに「完成された女性像」を求めようとは思わなかった。
むしろ逆である。彼女が語る「破壊」という言葉の重さ、その事実から目を逸らさずに写し取ること。それが、写真家としての最低限の誠実さだと感じた。

美は、整った形の中にだけ宿るものではない。
むしろ、選び取られた不完全さの中にこそ、強く立ち上がる。彼女の身体は、自然のままの連続性を断ち切り、意志によって再構成されたものである。その過程には確かに「喪失」がある。だが同時に、「獲得」もまた存在する。

私は、彼女の中にあるその両義性――
失ったものと、手に入れたものが同時に存在する緊張――を写したいと思った。

撮影の場において、私はポーズを強いなかった。
彼女の動きに任せ、呼吸のリズムに寄り添い、ただ光と空間を整える。そうすると、不思議なことに、彼女は「見せる」ことをやめ、「在る」状態へと移行していく。

その瞬間、身体は語り始める。

それは、性別の問題を超えた「存在の実感」であった。
彼女が「女であるかどうか」を問う視線は、そこでは意味を失う。ただ、「ここにこうして在る」という事実だけが、静かに、しかし揺るぎなく立ち現れる。

彼女の身体が人工であるか否か――
その問いもまた、次第に遠のいていく。

なぜなら、写真に写るのは器官の真偽ではなく、そこに宿る「生の強度」だからである。

私は、彼女の選択を肯定も否定もしない。
それは写真家の役割ではない。ただ、その選択がどれほどの重みを持っていたのか、その結果として彼女がどのように「今」を生きているのか――それを、誇張も脚色もせずに受け止め、光として定着させる。

彼女は、自らの身体を変えることで、自らを救った。
その過程がどれほど過酷であったかを、私は完全に理解することはできないだろう。しかし、その痕跡に触れることはできる。そして、それを見た者が何かを感じ取る余白を残すこと。それこそが、写真という表現の力である。

撮影を終えた後、私はしばらくカメラを置いたまま、彼女のいた空間を見つめていた。
そこには、何かが確かに残っていた。形のない、しかし確実な重み。

それは「女性を撮った」という感覚ではなかった。
ましてや「トランスジェンダーを撮った」という単純な言葉でもない。

ただ一人の人間が、自らの存在を賭けて選び取った「身体」と、その沈黙の証明を、私は写していたのだと思う。

そしてそのとき、写真とは「理解するためのもの」ではなく、
「引き受けるためのもの」なのだと、静かに知った。

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Tetsuro Higashi

I was born and brought up in Tokyo Japan. Now I teach mathematics . At age 20 I took up painting. I took up taking photos before 5 years. I have learned taking photos by myself . I grew up while watching ukiyo-e and have learned a lot from Sandro Botticelli , Pablo Picasso. Studying works of Rembrandt Hamensz . Van Rijn, I make up the light and shadow. * INTERNATIONAL PHOTO EXPO 2015 / 26 February ~ 31 March Piramid Sanat Istanbul, Turkey * World Contemporary Art 2015 Nobember Piramid Sanat Istanbul, Turkey * Festival Europeen de la Photo de Nu 06 ~ 16 May 2016 Solo exposition at palais de l archeveche arles, France *2016 Photo Beijing 13~26th October *Sponsored by Tetsuya Fukui 23 February - 02 March 2019 Cafe & Bar Reverse in Ginza,Tokyo,Japan *Salon de la Photo de Paris 8th – 10th – 11th 2019 directed by Rachel Hardouin *Photo Expo Setagaya April 2020 in Galerie #1317 *Exhibition NAKED 2020 in Himeji    Produce : Akiko Shinmura      Event Organizer : Audience Aresorate December 1th ~ 14th  2020

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