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「忍び寄る孤独感、そんな時、無意識のうちに逃げ込む場所がある」
時折、僕は自分の中に沸き起こる孤独感に圧倒される瞬間がある。そうした時、無意識のうちに頭の中で逃げ込む場所が一つある。その場所は、言葉にするのは難しいけれど、遠い記憶の中から浮かび上がり、今もなお変わらずに僕を包み込む優しさを持っている場所だ。そこは、何か特定の場所を指すものではなく、むしろ僕の心の中に存在する時空そのもののような気がする。僕が一人になりたい時、孤独を感じる時、そこに逃げ込むことで僕は安心感を得て、そして「素直な自分」に戻ることができるのだ。
僕は適当で、いい加減な性格だとよく言われるが、それはそれで良いのだと思っている。人生の中で、完璧さを求められる場面は多々ある。しかし、僕にはその完璧さを追い求めるよりも、自然体でいることの方が大切だという思いが強い。もちろん、そんな自分にも孤独というものが訪れる。誰もがそうであるように、僕もまた他者とのつながりを求め、そして時にはそのつながりが薄れていくことに恐れを感じることがある。
そんな時、僕はその「場所」に逃げ込む。そこはまるで、子供の頃に遊んだ秘密基地のような感覚を持っている場所だ。現実の世界ではなく、僕の記憶と想像の中で形作られた場所であり、その場所にいると、僕は無条件に安心できるのだ。温もりに満ちたノスタルジックな空気が漂い、そこにいるだけで自分が癒されるのを感じる。
その場所には特定の形や色があるわけではない。ただ、僕の心の中にあるイメージとして、淡い光に包まれた空間が広がっている。まるで夕暮れ時のような柔らかい光が差し込み、周囲には風がそよいでいる。その風は決して強すぎず、心地よい涼しさを感じさせる。空気中にはほんのりと懐かしい香りが漂い、僕はその香りに包まれて静かに目を閉じる。
そこには、過去の記憶が混ざり合っている。子供の頃の思い出、若かった頃に経験した冒険、そして人との触れ合い。そのすべてが柔らかくぼんやりとした形で現れ、僕を温かく迎え入れてくれる。それは決して現実ではないが、確かに僕の心の中に存在し続けているものであり、いつでも戻れる場所として、僕を待ってくれているのだ。
僕はその場所で、ようやく「素直な自分」に戻れる気がする。普段は、社会の中で役割を演じたり、他者との関わりの中で自分を守ろうとしたりすることが多いが、その場所ではすべての仮面を外し、ただありのままの自分でいることができる。誰にも見られていない、誰にも評価されていない、ただ自分と向き合う時間。そこにいると、僕は何も考える必要がなく、ただ存在しているだけでいいのだ。
その場所は、僕が孤独を感じるたびに少しずつ形を変えている。時には新しい風景が加わり、時には懐かしい場面が消えていくこともある。しかし、根本的な温もりと安心感は変わらない。僕がどれだけ年を取っても、どれだけ新しい経験を積んでも、その場所は常に僕を受け入れてくれる。それは、まるで故郷のような存在だ。
現実の世界では、僕は適当でいい加減な性格だが、この場所にいる時だけは、すべてが自然で正しいと感じられる。僕がこの場所を必要とするのは、自分自身を再確認し、また新たな一歩を踏み出すためだ。僕はそこで孤独を受け入れ、そしてその孤独が決して悪いものではないことを理解する。孤独は、僕が自分自身と向き合うための時間であり、その時間を通じて僕は成長していく。
未来がどうなるかはわからないが、この場所が僕にとって重要であり続けることだけは確かだ。僕が疲れた時、迷った時、孤独を感じた時、その場所に戻ることで僕は再び前を向くことができる。素直に戻れる場所。それは、僕にとって人生の中で最も大切な避難所であり、これからもずっと僕を支え続けてくれるだろう。

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Traveler of Time Naked Truth