Photo-model : Mai 1

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アジサイの枯れ花と、歩くということ

森を歩いていた。季節は、もう秋の深まりを迎えている。葉は黄に、褐に、そして静かに土へと還ってゆく。足元にふと、色の抜けたアジサイの花が落ちているのを見つけた。

それは、もはや花ではなかった。咲いていたときの華やかさやみずみずしさはとうに失われ、色は褪せ、形も少し崩れていた。けれど、私はその花を「きれいだ」と思った。

どこか痛ましく、そしてどこか、やさしい。

しゃがんで拾おうかどうか迷ったが、指先を伸ばすことはしなかった。ただ、立ち止まって見つめて、それからまた歩き出した。

目的はなかった。ただ歩きたかったのだ。行きたい場所があるわけでもないし、誰かに会う予定があるわけでもない。ただ、森に入りたかった。何かを探していたのかもしれないし、何も見つけたくなかったのかもしれない。

アジサイは、雨の季節の象徴のような花だ。だが、この枯れた姿には、晴れた午後の静けさがあった。風に吹かれて、カサカサと音を立てるような軽さ。咲いていたときよりも、この花はなにかを語っているような気がした。

私は、自分の中にもそんな「枯れたアジサイ」のような感情があることを思った。ずっと前に終わった出来事、消えてしまった言葉、遠くなった誰か。もう何の力もないようでいて、けれど、いまでもときどき足を止めさせるもの。

それは悲しみではなく、ある種の赦しのようでもあった。

歩くこと。目的もなく。ただ、風の音と自分の足音を聴きながら進むこと。そうして森を出る頃には、胸の奥のざわめきも少しやわらいでいる。

枯れた花は、踏まずにそっとよけた。触れなかったけれど、たしかに心のなかに持ち帰った。

誰かと話すでもなく、何かを書くでもなく、ただ黙って歩く。そんな時間が、私にはときどき必要になる。

理由は、たぶん、まだ知らないままでいいのだと思う。

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Tetsuro Higashi

I was born and brought up in Tokyo Japan. Now I teach mathematics . At age 20 I took up painting. I took up taking photos before 5 years. I have learned taking photos by myself . I grew up while watching ukiyo-e and have learned a lot from Sandro Botticelli , Pablo Picasso. Studying works of Rembrandt Hamensz . Van Rijn, I make up the light and shadow. * INTERNATIONAL PHOTO EXPO 2015 / 26 February ~ 31 March Piramid Sanat Istanbul, Turkey * World Contemporary Art 2015 Nobember Piramid Sanat Istanbul, Turkey * Festival Europeen de la Photo de Nu 06 ~ 16 May 2016 Solo exposition at palais de l archeveche arles, France *2016 Photo Beijing 13~26th October *Sponsored by Tetsuya Fukui 23 February - 02 March 2019 Cafe & Bar Reverse in Ginza,Tokyo,Japan *Salon de la Photo de Paris 8th – 10th – 11th 2019 directed by Rachel Hardouin *Photo Expo Setagaya April 2020 in Galerie #1317 *Exhibition NAKED 2020 in Himeji    Produce : Akiko Shinmura      Event Organizer : Audience Aresorate December 1th ~ 14th  2020

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