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子を宿したときの女性の讃歌
新しい命を宿した女性の姿ほど、神秘的で力強いものはない。母になる瞬間、それは生物としての奇跡であり、精神としての覚醒であり、そして人生の大いなる変化の始まりである。ひとつの細胞がふたつに分かれ、やがてひとりの人間として形を成す過程。そのすべてを、自らの体の内で織りなす女性の存在は、まさに生命の賛歌にほかならない。
妊娠が発覚した瞬間、多くの女性は喜びと驚き、そして不安を同時に抱く。身体の変化は、日常にささやかな不自由をもたらすが、その一方で「自分の中にもうひとつの鼓動がある」という事実に、得も言われぬ充足感を覚えることもある。妊娠初期のつわりに苦しみながらも、やがて胎動を感じたとき、「この命は確かに私とともにある」と実感するのだ。
母となる女性の強さは、単なる肉体的な忍耐にとどまらない。腹を痛めて産む、という言葉があるが、それは単に出産の苦しみを指すものではない。十月十日のあいだ、自らの身体を削り、内臓を押し上げ、血流を分け与えながら、次第に子を迎え入れる準備をする。その変化を受け入れ、乗り越える姿は、まさに「創造の女神」とも呼べるものではないだろうか。
妊娠期間中、女性の心はしばしば大きく揺れる。喜びの中にも、未知の未来に対する不安が混ざる。母親になるということは、ただ単に子を産むという行為ではなく、ひとりの人間を育み、その未来を見守る責任を背負うことを意味する。果たして自分は良い母親になれるのだろうか、ちゃんと守っていけるのだろうか――そんな問いが頭をよぎるたび、母としての覚悟が少しずつ芽生えていく。
ある女性は言った。「子供を宿すことは、ひとつの世界を抱きしめること」。胎内の小さな命は、やがて大地を踏みしめ、空を仰ぎ、未来へと歩み出していく。その生命の旅の始まりを支え、温もりを与えるのが、母親の役割なのだ。妊娠という時間は、たった数ヶ月の出来事かもしれないが、それは人生において最もかけがえのない、一瞬の永遠である。
出産を経た女性は、もはやそれまでの自分ではない。肉体は変わり、心は広がり、新しい視点で世界を眺めるようになる。そして彼女たちは知るのだ。痛みの果てに生まれた小さな命が、愛と希望を運んでくることを。その瞬間、世界はほんの少しだけ、美しく輝きを増す。
妊娠とは、人生のほんの一時の通過点ではなく、人間という存在が持つ神秘のすべてが詰まった特別な旅路である。すべての母となる女性に、私は心からの敬意を表したい。彼女たちは、世界を生み出し、未来を育てる存在なのだから。
モデル:芸術家SAORI KANDA