
凛とした静寂のなかに ── 古民家に宿る日本の美と存在の輝き
ひとつの写真群を前にして、心の奥がゆっくりとほどけていくような感覚に陥ることがある。それは、明確な主張や視覚的な衝撃ではなく、むしろ静かで淡々とした佇まいの中にある「確かさ」によるものだ。今回紹介するのは、日本の古民家を舞台に撮影された一連の作品。そこには、現代的な装飾や意図された派手さとは無縁の、ただしっかりと「ある」日本の伝統美が息づいていた。
舞台となった古民家は、時を経て木の色が深まり、柱や梁に刻まれた傷さえも時間の層として溶け込んでいる。磨き込まれた板間、障子越しに差し込む柔らかな光、手入れされた庭木。すべてが過剰でなく、むしろ引き算の美学に徹している。空間そのものが語るものは多くはない。ただ、そこにある空気と気配が、写真を通じて静かに観る者へと届いてくる。
photographer : syuppo
model : kuroneko-koyomi instagram : kuro.neko216

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この作品群の核心は、「静寂」である。カメラは決して声高に語らない。モデルの佇まいを、ただあるがままに写し取っていく。その姿勢が、写真に凛とした緊張感を与えている。モデルは華美な衣装を纏わず、装飾も最小限に抑えられている。しかし、その素朴さこそが、存在としての美しさを際立たせている。決して演出されすぎることなく、しかし確かにそこに「居る」ことを感じさせる。その在り方が、古民家という場の静けさと響き合い、深い共鳴を生み出している。
