Poem / Photography 「リアル」

リアル

根こそぎ殺(や)られたんだ
この世界のリアルからの切断

何かが欠落したまま
私は今を生きる

あまりに根が深く
どこに向かって行けばいいのかわからない

ただ「生きたい」
もう死んだように息をしているだけの自分は嫌だ

見つめて来た
自分の過去も内面も

暗がりの中でも幸福の中でも
痛みや涙の中でも

弱い私であっても
いつももう一人の私が見つめていた

「もっとリアルに」
「もっと感情を揺さぶって」と

遠くから声が聞こえる
「貴女をここで終わらせる訳にはいかない」と

突破したい
私を囲っている壁全てぶち壊して

リアルへ…

もう一歩先へ
もう一段上へ

自分の脚で
超えてゆきたい

殺(や)られた精神は取り戻せない
それでも諦めない

まだ間に合うから
気付く事が出来たから

らっきょの皮むきでもいい
最後に何が残るのか見てみたい

魂を膨張させて
この壁をぶち破る

見えてくるのは
きっといつか見た風景

それでいい
懐かしさと共に私は生まれ変わる

内から外へ
そしてまた内へ

もっと遠くへ
もっと近くへ

リアルになる

私がなる
本当に「死す」前に
なるんだ

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

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Tetsuro Higashi

Tokyo Japn Photographer

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