フォトエッセイ 「自分を探す旅が 今、始まろうとしている」

「自分を探す旅が 今、始まろうとしている」

夜の街は
冷たい蛍光灯の海に沈む
人々の足音
遠ざかる車の音
すべてが響いては消え
何も残さない

駅のホーム
すれ違う顔は
鏡のように
自分を映し出さない
誰かの温度
誰かの呼吸
それを感じる隙間は
もうどこにもない

タワーマンションの窓
無数の四角い光は
星空のように見えるけど
そこに星座はない
ひとつの光の中に
誰がいるのか
何を夢見るのか
それは誰にもわからない

自販機の灯りが頼りになる夜
ホットコーヒーの缶を握りしめ
自分がまだ
ここにいることを確かめる
金属のぬくもりだけが
今
確かなもの

都会は
人を飲み込み
吐き出し
形のないものにしてしまう
けれど
その隙間にこそ
ひとつの息吹が宿る
孤独の中で
自分を探す旅が
今、始まろうとしている

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不明 のアバター

Tetsuro Higashi

Tokyo Japn Photographer

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