
「自分を探す旅が 今、始まろうとしている」
夜の街は
冷たい蛍光灯の海に沈む
人々の足音
遠ざかる車の音
すべてが響いては消え
何も残さない
駅のホーム
すれ違う顔は
鏡のように
自分を映し出さない
誰かの温度
誰かの呼吸
それを感じる隙間は
もうどこにもない
タワーマンションの窓
無数の四角い光は
星空のように見えるけど
そこに星座はない
ひとつの光の中に
誰がいるのか
何を夢見るのか
それは誰にもわからない
自販機の灯りが頼りになる夜
ホットコーヒーの缶を握りしめ
自分がまだ
ここにいることを確かめる
金属のぬくもりだけが
今
確かなもの
都会は
人を飲み込み
吐き出し
形のないものにしてしまう
けれど
その隙間にこそ
ひとつの息吹が宿る
孤独の中で
自分を探す旅が
今、始まろうとしている

転生したらスライムだった件792円
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