フォトエッセイ 「恍惚への序曲」

恍惚への序曲

夜の闇はまだ柔らかい
窓を叩く風は
どこから来たのか答えないまま
わたしの肌をすり抜けていく

目を閉じれば
重なる記憶の波が
音もなく襞を作り
過去と未来を編み込む

ひとつの星が輝く
それは誰もが持つ小さな願い
でも、今はまだ遠く
触れることもできない

聞こえるかい?
胸の奥で奏でる音が
それは心臓の鼓動ではなく
言葉にもならない
ただの存在のざわめき

わたしは歩き続ける
足元には形のない道
行き先を問わず
ただ歩くことで満ちていく

恍惚、それは始まり
終わりでもあり
その狭間でわたしたちは揺れる
けれど、その瞬間だけが
本当の今なのだと
星たちが静かにささやく

そしてわたしは
その光を受け止める
手を伸ばし
言葉にならない歌を歌いながら。

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不明 のアバター

Tetsuro Higashi

Tokyo Japn Photographer

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