
・

モデルになる方にとって、「自分が写った写真が大きな展示会場に展示される」ということは、単に写真が発表される以上の意味を持つ場合があると思います。そこに自分の姿が作品として選ばれ、多くの人の目に触れることは、一つの誇りであり、名誉でもある。その気持ちは、私にも十分想像できます。
私自身も、できることなら、撮影した写真を大きな展示会場に展示できるような作品にしたいと思っています。モデルの方に「あなたの写真は、いつか大きな会場に展示されるかもしれません」と伝えられることは、写真家としても嬉しいことです。
ただし、ここには少し複雑な事情があります。
私は、撮影した写真を自分の意志だけで自由に展示できる立場にいるわけではありません。展示については、私と関わるキュレーターの判断や、展示企画そのものの条件など、私一人では決められない要素があります。
つまり、私は「展示されることを目指して撮影する」ことはできます。しかし、「必ず展示します」と約束することはできません。
ここには、私自身も少し板挟みになっているところがあります。
写真家としては、モデルの方に素晴らしい作品を残したい。そして、その作品をできれば大きな展示会場で発表したい。しかし、最終的にその作品が展示されるかどうかは、撮影者である私だけでは決められないのです。
だから、モデルになってくださる方には、この点をあらかじめ正直にお伝えしておきたいと思っています。
私は、展示を目指して撮ります。しかし、展示を約束することはできません。
これは、モデルの方に期待を持たせたくないからでもあります。撮影の段階では、私自身が「この作品を展示したい」と強く思っていても、実際の展示では作品の選考や企画、会場との関係などによって、実現しないことがあります。
それでも私は、展示される可能性を最初から諦めて撮影するつもりはありません。
一枚一枚の写真について、「もしこの作品が大きな展示会場に掛けられたらどうだろう」と考えながら撮影しています。その意味では、展示される可能性のある作品をつくることは、私にとってモデルへの一つの敬意でもあります。
ただ、展示されなかったからといって、その写真やモデルの価値が低いということではありません。
写真の価値と、展示されるかどうかは、別の問題だからです。
モデルの方には、そこを理解していただいたうえで、安心して撮影に臨んでいただきたいと思っています。
私が約束できるのは「必ず展示すること」ではありません。
その瞬間に私が持っている写真家としての力を使って、できる限り良い作品をつくること。そして、その作品が展示される可能性を少しでも高めるために努力すること。
それが、私がモデルの方に対してできる、最も正直な約束だと思っています。

・

・

Erotic 「民」は既得権益にありついた者たちへの投票は控えたい
