写真詩集 「底」

底

何かが底を付いた時
しばらくそこに定着して上を見上げる

此処は安定して良いねと
聞こえそうで それでいて更に下があるかのような恐怖

「どんな状況下でも詩を書き続けなさい」と
父が言っているように思えて

底をテーブルに書いてみる
透明なそのテーブルが更に下を映し出すから
ハジにつかまって何とか踏ん張る

ー落ちる!ー
ふとガタついた神経が
テーブルのハジから私を更に下へと追いやる

涙だけが浮上して行き
ドサッと また下に落ちる

痛めた足腰が感覚を取り戻すと
また上を見上げる

私は上に向かっているのか?
それとも下か?

透き通ったその場所でうずくまりながら
ふと上も下もないと…

ただこの大地に足をつけ
遥か上の空を見るのか 
それとも足元を眺めるのか

その違いだと

poem : Maya Inoue / photo : Tetsuro Higashi

Poem / Photography 「リキッド」

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Tetsuro Higashi

Tokyo Japn Photographer