
・

・
鏡を使った撮影では、時には双子を撮ったような図が出来上がったりします。

・

・

・

・

思えば、これまでの人生は決して計画通りにはいかなかった。
選ばなかった道、選べなかった未来、壊してしまった関係、守れなかった想い。
どれも胸の中でずっとくすぶっていて、思い出すたびに苦く、痛んだ。
でも、あるとき気づいた。
あのときの「間違い」だと思っていた選択が、今の私を形作っていたこと。
失ったと思っていたものが、実はもっと深いものを教えてくれたこと。
挫折は敗北ではなく、変化の入り口だったこと。
若い頃、人生は一本の線のように思っていた。
まっすぐ前に進んでいく道で、選んだ方向にしか行けないと思っていた。
けれど、実際にはもっと柔らかく、曲線を描き、時に立ち止まり、折れ、戻りながら続いていくものだった。
その過程で私がどれほど不器用だったとしても、
たとえそのときの自分を「未熟」だと感じたとしても――
私はそのときそのとき、いつだって「最善を尽くしていた」のだ。
今ならそう思える。
そして、それを否定せず、ただそっと抱きしめるように、自分を見つめられる。
鏡の中の私は、もう誰かに認められたいと焦るような目をしていない。
人と比べてばかりだった。
あの人のほうが優れている、あの人のほうが美しい、賢い、愛されている。
そう思って、どれほど自分を追い詰めたことか。
でも、それも今となっては笑ってしまう。
誰かと同じになろうとしたって、私は私にしかなれないのだ。
それならいっそ、この私という素材を、味わい尽くしたほうがいい。
自分に甘くなるというのは、だらしないことではない。
それは、自分を優しく包み込むことだ。
ずっと頑張ってきた自分に、「もうそんなに無理しなくていいよ」と声をかけること。
傷ついた自分に、「痛かったね、でも大丈夫」と言ってあげること。
何も特別なことではない。
けれど、それができるようになるまでに、私はずいぶん時間がかかった。

林未珠 写真集『富士山』
林未珠さんの魅力を収録した写真集『富士山』をご紹介します。
人物写真の面白さは、モデルの表情や身体のラインだけでなく、光と影、構図、カメラアングルによって被写体の存在感をどのように引き出すかにあります。
ポートレートや人物表現を研究しているクリエイターの方は、モデルの個性と撮影空間の関係、光の使い方や構図にも注目して鑑賞してみてください。
📖 電子版『富士山』
💰 価格:4,180円
Megumi 印象派の絵画の様な図になる