詩&写真 「ただ 今宵の夢となれ」

夜風にそよぐ 黒髪のしじま
絹の襟元 そっと撫でる指
琥珀の灯り 影を伸ばせば
紅(くれない)染めし 袖が揺れる

藍(あい)の襲(かさね)に 花の香ただよう
ひそやかに うなじを撫でる月
言葉なき戯れに しずく落ちれば
灯籠の揺らめきに 秘めた恋

桜吹雪に隠れし面影
あの日の約束 消えてなお
残るは 帯のゆるやかさ
肌にほどける 情(こころ)だけ

夜の水面に うつろう影よ
抱かれるままに 溶けてゆけ
やがて朝が 幕を引くなら
ただ 今宵の夢となれ

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不明 のアバター

Tetsuro Higashi

Tokyo Japn Photographer