
「写真をアートにする編集」
私の感性と相性の良い人はどれくらいいるのかな?と思いながら、こうして載せてます。 ドレスの部分はほとんど暗いグレーで塗り潰されているので、違和感のある人も多いとは思いますが、写真ではまずありえませんが、絵画では普通にやるとこなので。

このモデルさんは演劇でも習っていたのでしょうか・・表情がとっても豊かです。

私らしい編集と言えば、その通りなのですが、その中でも特に”個性的”な編集画像を載せていこうと思います。
このような編集をすることは何が目的なのか?なぜ、そうするのか?を詳しく書いていこうと思います。 私が絵画から始めたから写真をも絵画的にしようなどと考えて、このような編集したわけではありません。 写真以上の、絵画以上の「作品」にするために、このような編集をしてますし、新たな試みも加えてます。

この画像に関しては、右横に90度回転させた画像が原画です。
左側が汚れて見えるかもしれませんが、相対的に、右側を美しく見せてための”布石”と考えてください。 すべてを美しく撮れば、また、編集すれば、ただ美しいだけの絵になってしまいます。 これから、写真家を志す人がいるなら、全ては相対的なことの中にあることを知ってください。 美しさは相対値であり絶対値ではありません。

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僕の”写真家としてのデビュー”を決定づけた一枚です。 海外の雑誌やウェブでも多く掲載されたと聞いてます。 写真をアートにする編集をしたことが評価されたと思ってます。

僕は、日本画の影響が大きいのでしょうね。 どうしても、線を強調する編集してしまう。
このモデルさんには不思議な力があって、(悪口ではなく)どこと言ってアドバンテージがあるわけではないのに、存在感が際立ってます。 他のフォトグラファーが撮った写真には(勝手なことをいうようだけど)良いものがなくて、僕が撮った時にだけ良い作品になるように思う。 このことは僕の撮影が上手なわけではなくて、相性が良いのか・・・ほかに理由が見つからない。


”無難な道”を選ばないようにしましょう。 アートは生活費需品ではないので、無くても困りません。 ほどほどに‥という安全策も無用です。


シャッタースピードを極端に落とし、ブレブレの画像にしてます。 ここでも、エッジを立てる編集をしてます。

この画像は、赤を黒に変色するような編集改訂を経てます。 ただのポートレイトですが、観る者に”創造領域”をより広く提示したものと思います。
写真だけでなく、「作品」と言われるものは、観る者にどれだけの創造力を委ねられるか?でその価値は決まってくると考えてます。

私の画像には、表面がツルツルした質感はありません、ザラザラ感が好きですので・・

作品の価値というものがあるなら、それは一定の時間が経って分かる(確認できる)ことが多いと同時に、”モデルの価値”という言い方は乱暴だが、その価値も分かってくる。

このモデルさんが最も撮りやすい。 安易に撮れるという意味ではなく、間が合うという意味で。
シャッターにはタイムラグというものがあって、ここだ!という瞬間に押しても、わずかに遅れてしまう。 それで、ここだ!と思う瞬間が訪れるだろうことを予期して、0.1秒前にフライング気味にシャッターを切ってないといけない。
勢いを大切にすることから、ポーズを止めて撮ることはしないので、この”間”が合うかどうかはとても大切になる。 彼女が、シャッターの切れる瞬間を予期しているのか、僕が感じているのかは分からないが・・

下の作品には、わずかな色彩を残してます。 私の趣味ですが、限りなくモノクロに近い、色彩が残るものを好みます。 ここの画像の多くにも、そのわずかな色彩が”濃い赤”になってます。

この写真はとても分かりやすいので、参考にしながら詳細を説明していきます・・・この画像が興味深く思える方は参考にしてください。 先ず、こういう画像にするためには、暗めに撮ってください。 写真から、その画像の輪郭だけを浮かび上がらせる(スケッチ加工)をしてみてください。 この画像をコピーして、拡大してみれば分かると思いますが、輪郭が強調されてます。 この編集によって、画像の明るさは増し、編集もしやすいと思います。 体のラインを見れば分かるように、強くラインが出ている箇所とそうでない箇所があります。 ここからは、”絵心”が必須になります。 どこもかしこも(ラインが)強くなれば、きつい印象になってしまいます。 それを回避するために、画像を拡大して(無駄と思われる)ラインを消して行きます。 鼻、口、顎あたりの輪郭はかなり強く出てますが、これは肌の白さと背景の髪の黒とのコントラストが強いことで生まれる「ライン」です。 明暗のコントラストの差が少ないところは、ラインが出てきません。 それと、グレーに見える箇所で、(ある種の色潰れを起こし)本来であれば真っ黒に見えるとこがグレーに反転するようになります・・これは、編集ソフトがクラッシュした状態になっていると思われます。 ラインが整ったら、ざらついた質感を整えるために「デジタルノイズを省く」編集をしてください。 「ソフト加工」は止めて方がよいです・・画像がボケてしまいます。
このような作業を「展示作品」として仕上げていくこととなると、10時間は軽く要しますので、かなり根気のいることなので、覚悟がないとできません。 上の作品は展示することはないので、3分で編集してますが、展示作品ともなれば、長辺100cmにもなるわけですから、アラが目立ってしまいます。
参考資料?としては、中期のパブロ・ピカソの人物画を参考にしてください。 ラインのとり方が絶妙です。 このようなラインのとり方は、西洋人が浮世絵から学んだのかもしれませんが、今度は我々が盗み返す番かもしれませんね。

アート的な画像にすることを絵画的な画像にすることとは違います。 絵画のようにするなら、絵を描けばよいわけで、写真を写真でもなく絵画でもない”領域”にもって行かないことには、真の面白さは生まれてきません。

ヌードというものは、芸術性を感じさせればエロティックなアートになりますが、芸術性がなければ単なるポルノグラフィーです。
アートとポルノの区別は難しく、アートでもありポルノでもあると思われる作品も多く存在します。 いずれにしても、それを決めるのは観る者に委ねられるのですから、作者である”私”の決めることではありません。

モデルさんの性格の良さがそのまま伝わってきますね。 この姿でこの笑顔、写真家冥利に尽きます。
これは、8年前の作品ですから、まだ、私が”駆け出し“の頃ですね。 撮る方も撮られる方も、幸せ感満載です。

この画像、よく見ると面白く変な現象が起こってます。 本来、影となり黒くなる部分がグレーになってます。 これは、編集ソフトがクラッシュした状態から生まれます。 フォトショではこういう画像は出来ません、無料ソフトでないと出来ないこともあります。


この画像でも分かるように、”濃いグレー”で部分が潰れてます。 このようなことが起こるのも、編集ソフトにある程度以上の負荷をかけるとクラッシュした状態になります。 それを狙って、”黒以上の黒”を感じさせる”濃いグレー”を創り出してます。

上の画像のモデルさんとは、モデルをすることについて、詳しい話をしたことがない。 会えば、だいたい政治的な話題になる。 この人は左側で、僕はどちらかと言えば右側。 左側の人たちは、グローバリズムを推進し、環境問題などにも絡めた世界観を展開する。 僕から言えば、グローバリズムというものは、一歩間違えば全体主義にも繋がり、実際にそういう国家の台頭が顕著でもあり、脅威になっていることが現実だと思うわけです。
・・そんな話としながら、上のような「作品」が出来上がってきます。 確かに、撮影のセッティングは僕がしますが、ポージングやイメージの共有などは一切ありません。 彼女が、アートに関する造詣がどれほどのものなのか?僕には分かりませんが、作品(結果)が全ての世界ですから、これで十分だと言えます。 実際に、素晴らしいモデルだ!という声が僕の耳に入ってきます。





このあたりの画像は、原画をめちゃくちゃぶっ壊してますね。 下の画像は、本質だけ残して、後は残骸のようになってます。

下の画像・・このモデルさんは重度のアトピーがあって、それでもこうしてモデルになっていただけるって、本当に嬉しいですよ。 その心意気が・・










この上下の画像(編集)がどうか?感覚的に好き嫌いが分かれることと思います。 もっとも、僕は好きだからやっているわけですが、これは、シーレの絵画を良しとするかどうかと似ているように思います。








ヌードの上に花をちりばめてます。 花の配置が難しくて、何度もやり直しました。


この写真は、世田谷区民会館で撮りました。 僕は座る場所を指定しただけで、こうしたポーズをすることはモデルが勝手に決めたことです。 ここでも、最後はモデルが決めるのです。

画像撮影は6年前になりますが、このモデルさんの貢献度は計り知れなく、僕の作品の中でも”記念碑”的な画像が多くあります。 このモデル(彼女)じゃないと撮れない画像があります。 それは、筋肉質な体型とかポージングなどの凄さもありますが、この人には魂があります。 その魂がこうして形になることが素晴らしいことなのです。

ポーズ一つ一つに気合が入ってます。
彼女との撮影においては、緊張感が走ります。 格闘技と同じなのです。 毎ショットが勝負になります。 彼女は発する側、僕は受け止める側です。


この画像は、私の代表作品の一つになります。 ポージング、ライティング、編集が全てかみ合ってます。









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