
「生きている人へ」
一人を知れ
一人ではなく
独りを
目には見えない繋がりで
雁字搦めになりながら
私たちは皆 独りを味合う
一人を知れ
一人ではなく 独りを
自己と対話する時
初めて出逢う自分がいる
初めて他者を思いやれる
独りは寂しいものではない
悔しくて涙が出る
苦しくて 寂しくて 情けなくて 恋しくて
そんな心の動きに敏感になれ
独りで じっくり
つぎの瞬間 貴方に差し出される
涙をとめる何か 信じれば良い
目には見えない沢山の想いに支えられると
いつか貴方が
「生きている人」を支えるまで
・
詩:井上摩耶